パソコンのデータを外部の記憶装置に保存し持ち運びができるポータブルハードディスクとUSBフラッシュメモリは一体何が違うのか。
使用している際はUSBポートに接続してデータを保存したり読み込んだりと用途は同じなのに価格や大きさが違うのはなぜなのか。
ポータブルハードディスクとUSBフラッシュメモリではどういった利点があり、使用する際に注意したり気を付けないといけない事はあるのか等、ご購入する際に悩んでしまう事もあるかと思います。
また、不具合時に、どちらの方が復旧しやすい等質問を多数いただいており、詳しくご説明いたします。
目次
1-ポータブルハードディスクとは
2-USBフラッシュメモリとは
3-SSD(ソリッドステートドライブ)とは
4-それぞれのメリット・デメリット
5-不具合時にご注意いただく事
6-不具合が出た際の対処法
7-パソコンに表示されるエラーメッセージ
8-弊社の復旧事例
9-まとめ
【1-ポータブルハードディスクとは】

ポータブルハードディスクは、付属のUSBケーブルをパソコンに繋いで、データの保存や読み出しを行うデータ記憶装置です。
ハードディスク(HDD)は内部にプラッタと呼ばれる記憶するディスクを搭載し、磁気によりデータを書き込む仕組みとなります。
通電を行っている際は常にプラッタが常に回転しており、データはセクタごとに書き込まれデータを読み書きする際に、磁気ヘッドによる読み取りを行い保存されます。
サイズはポータブルタイプのHDDだと名刺より少し大きいぐらい(スマホ程)のサイズで片手に収まるサイズ感となります。
容量は、1TB~4TBと大容量の物も多く、価格は1万円~2.3万円程度となります。
ハードディスクの構造
ハードディスク内部は精密に設計された構造となっており、各部位が正常に動作する事で、パソコン側で認識しデータの保存や読み出しを行います。

ハードディスク内部は密閉されており、中に塵埃が入りにくい構造とっなっております。
たとえ目に見えない程の埃がハードディスク内部に入り込んでしまうと、回転し続けているプラッタに付着し傷が付いてしまう危険性があるので、ご自身での解体や開封は行わないでください。
・プラッタ…データを記憶する所
・磁気ヘッド…データを読み書きする所
・スイングアーム…磁気ヘッドを動かす所
・モーター…プラッタを回転させる装置
・PCB基盤…モーターの回転数を制御している電子基板
取り扱いの注意
ハードディスクは精密機械の為、衝撃に弱く、落下や転倒しただけでも内部部品がずれたり破損してしまいデータが見れなくなってしまう事もあります。
ハードディスクの場合、通電を行っている状態だとモーターが常に回転しプラッタが回っているので、落としたりしないようにご注意ください。
【2-USBフラッシュメモリとは】

USBフラッシュメモリとは、パソコンのUSBポートに直接接続しデータの保存や読み出しを行うデータ記憶装置です。
チップによる制御を行っており、コントロールチップからデータチップへデータが書き込まれます。
通電時特に動作はせず、基板による制御を行っており、データの読み書きを行う際に信号が送られます。
サイズは親指程度の大きさで掌に収まるサイズ感です。
容量は、4GB~64GB程のものが多く、価格は数百円~となっております。
USBフラッシュメモリの構造
USBフラッシュメモリは基板にチップが搭載されており、USBコネクト部分から受けた信号を、コントロールチップで制御し、フラッシュメモリ(データチップ)へ書き込まれます。

USBフラッシュメモリは特に強度も強くなく、USBコネクト部分が折れてしまったり、水による基板のショート等が起こりやすい為取り扱いにはご注意ください。
また、密閉された構造でもない為、酸化等劣化が起こりやすいので、長年ご使用を続けることは難しい製品だと思います。
【3-SSD(ソリッドステートドライブ)とは】

SSD(ソリッドステートドライブ)とはUSBフラッシュメモリのように、チップによるデータ保存を行うデータ記憶装置です。
接続部分はHDD同様に付属のUSBケーブル等を用いてパソコンに接続を行い、データの管理を行います。
構造はUSBフラッシュメモリと似ており、コントロールチップにて制御を行い、フラッシュメモリへデータを書き込みます。
サイズはハードディスク同様に片手に収まる、名刺よりやや大きめのサイズ感で、容量は大きい物だと4TB等ありますが、価格は高い物が多く1万円~5.6万円ほどとなります。
※2019年現在 価格はやや下がっており500GBで約6千円~となっております。
SSD(ソリッドステートドライブ)の構造
SSDはデータを書き込む際、ブロックごとにデータを書き込むため、データを消去し書き込むといった作業を繰り返すことで劣化し、使用していないブロックを優先的に使用していく仕組みとなっております。
USB同様、特に密閉されていないので、多湿環境でのご使用はお控えください。
【4-それぞれのメリット・デメリット】
ポータブルハードディスク
メリット
・持ち運びに便利
・容量が大きくても価格が安い
デメリット
・衝撃や熱に弱い
・やや重い
USBフラッシュメモリ
メリット
・サイズが小さく持ち運びに便利
・データの読み書きが早い
・容量は小さいものが多いが安い
デメリット
・劣化しやすい
・小さい為紛失しやすい
SSD(ソリッドステートドライブ)
メリット
・持ち運びに便利
・軽い
・容量も大きい物がある
・データの読み書きが早い
デメリット
・価格が高い
・劣化しやすい
【5-不具合時にご注意いただく事】
どのメディアでも不具合が出た際や、挙動がおかしいと感じた場合は、直ぐに通電をお切り頂きご相談ください。
通電を行い続けると、障害部分から併発してデータを保存している部分にダメージが起こり、最悪データ破損に繋がる危険性がございます。
メディアが認識しなくなる
パソコンでの認識が確認できなくなっている場合、ハードディスクはモーターの回転音や振動等で動作の確認ができますが、USBフラッシュメモリやSSDの場合、ケース側のアクセスランプが付いている状態でも動作しているかどうか確認が難しく、ご自身でどの部分に不具合が起こっているのか判断しにくい場合がございます。
エラーメッセージが出る
エラーメッセージが表示されている状態だと認識はしているが読み取りが出来ない状態となっている事が多く、その症状では主にファイルシステムの障害がほとんどです。
ファイルシステムの障害は専用の復旧ソフト等を用いてご自身でのデータ取り出しも行える状態である事が多いのですが、通常に通電を行うことでメディアに負荷がかかってしまい、別の部分に障害が発生する危険もございます。
【6-不具合が出た際の対処法】
まずは、お使いのメディアが不調だと感じたら、通電をお切り頂き、ご保管くださいませ。
また、ご自身でデータ復旧や取り出しを行う際は最悪データが壊れてしまってもいいという覚悟で行って下さい。弊社でご相談いただく中でも、ご自身で一度復旧作業やソフトを使って確認をされ、状態が悪化してからご依頼いただく事も多く、状態によっては物理障害を起こしているご依頼品もございます。
論理障害
主に、通電時にエラーメッセージが表示されたり、ファイルやフォルダは見えている状態でデータにアクセスできないまたは、開こうとするとフリーズする等の症状が多くございます。
論理障害は主にファイルシステムの破損等のシステム側での不具合となりますので、データの復旧難易度はそれほど高い物ではありません。
専用の復旧ソフト等でパソコンからデータ復旧を行う事も可能かと思いますが、誤った方法や作業を実施してしまうと最悪データの破損を起してしまう危険もございます。
物理障害
そのままではありますが、メディアその物に不具合が出ている状態です。物理障害はほとんどの場合ご自身で対処する事は難しく、弊社データ復旧サービスへ一度ご相談くださいませ。
ハードディスクの場合、磁気ヘッドやスイングアームといった内部部品が損傷している可能性もあり、データの読み取りを行う為には、部品の交換作業等を実施しなければいけません。
USBメモリやSSDの場合は、基板の劣化やチップ損傷等があり、作業自体行えない程損傷している場合、最悪復旧不可能となります。
【7-パソコンに表示されるエラーメッセージ】
・フォーマットする必要がありますと表示される。
・巡回冗長検査(CRC)エラーと表示されハードディスクからデータの閲覧、読み込み、取り出しが行えない。
・I/Oデバイスエラーと表示される。
・パラメーターが間違っていますと表示される。
・ファイルまたはディレクトリが壊れているため、読み取ることができませんと表示される。
・メディアがパソコンで認識しない状態でエラーメッセージが表示すらされない。
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ハードディスクから異音が発生していませんか??
落下や、転倒にてハードディスクがパソコンで認識しなくなっている症状で、ハードディスクから異音が発生している場合は通電をお切り頂きデータの復旧をご検討くださいませ。
異音が発生している状態で接続をし続けると最悪データの破損に繋がり大変危険です。
通電時に異音が発生しているハードディスクからでもデータを取り出すことが可能です。
まずは、ハードディスクの状態を含めご診断を行いますので、一度ご相談くださいませ。
【8-弊社の復旧事例】
バッファロー
・HD-CB500U2 ・HD-CB1.5TU2 ・HD-CB2.0TU2-WH
・HD-PCT1TU3-BWJ ・LS-H320GL ・LS-H640GL
アイオーデータ
・HDCL-UT ・HDL-CE ・HDPX-UTA1.0
・EC-PHU3W3D ・HDPC-AU1.0 ・EX-HD3EL
シーゲート
・ST350515AS ・SGD-BP020UBK ・ST3500820AS
・ST2000DM001 ・SGD-NX030UBK
【9-まとめ】
外部接続でデータほ保存するメディアは様々ですが、どの製品であっても多湿環境でのご使用や、衝撃が加わってしまう可能がある環境でのご使用はお控えください。
これから外付けメディアをご検討の方は外付けポータブルハードディスク・SSD(ソリッドステートドライブ)とUSBフラッシュメモリ、主に容量や価格によってご検討いただければと思います。
仕事で使用するエクセルファイル等のofficeデータはそれ程容量も大きくないので、USBフラッシュメモリ等でも十分ですが、不具合時の事もございますので、ご使用の際はどのような製品であったとしても特に持ち運びをされる場合はバックアップをお取りになってからご使用ください。
ハードディスクやSSD、USBフラッシュメモリ・コンパクトフラッシュ等のカードタイプのメディアでも、ご使用の際のトラブルは是非一度弊社データ復旧サービスにご相談くださいませ。