このポイントを知っておくだけで、データ復旧率は飛躍的に上がります!
RAID製品で最も多い障害であるRAID崩壊によりメディアの機能が停止し、保存データへのアクセスができなくなってしまった場合、多くのサイトで紹介されている修復方法には、誤った情報や正しい情報であってもその作業に危険性があることをご存知でしょうか。
RAID製品は複数台のハードディスクを仮想で組み、ひとつのHDDとして認識させるシステムのため、単体で起動しているハードディスクとは全くの別物と考える必要があります。
今回はRAIDを組んでいるメディアに障害が発生してしまった際の注意すべき4つのポイントを紹介します。
目次
1-リビルド、データ再構築 ~高確率で失敗する!?~
1-1-リビルドをするとデータは復旧されるのでは?
1-2-リビルド作業はなぜ状態悪化させてしまうのか
1-3-失敗が多発するメカニズム
2-HDD順番入れ替え、交換 ~自動リビルドの危険~
2-1-HDDを交換すればデータは復旧されるのでは?
2-2-順番の入れ替えはなぜ危険?
3-HDDを取り外し、単体での起動 ~フォーマットする可能性~
3-1-単体でPCにHDDを接続するとデータが見られるのでは?
3-2-単体で接続するとデータが消える?
4-RAIDカードの交換 ~構成が崩れる危険性~
4-1-障害RAIDカードの交換でデータが見られるのでは?
4-2-一致するRAIDカード交換でデータが見られるのでは?
4-3-障害RAIDカードと同製品の交換でデータが見られるのでは?
関連の記事・対処法など
リビルド、データ再構築 ~高確率で失敗する!?~
リビルドをするとデータは復旧されるのでは?
本来リビルドとは欠損したハードディスク内のデータを再構築する作業で、一般的にはデータへアクセスできなくなった場合に、リビルド作業を行うことでデータが戻るとされ、これは製品の取扱説明書やメーカーホームページにも記載されています。
しかし実際には、この復旧方法は大変リスクの高い作業で、リビルドを行ったことにより症状が悪化したケースが多く起こっています。
ではなぜリビルドを行うと、症状が悪化してしまうのか、一つ疑問が生まれます。
リビルド作業はなぜ状態悪化させてしまうのか
状態を悪化させてしまう原因として多いのが、【それまで障害が起きていなかった別のハードディスクにも障害が発生してしまう】というものです。
リビルド作業が完了するまで何も問題が起きなければ、データの再構築は成功し保存されていたデータも無事、読み取ることができるでしょう。
しかし、リビルドが完了する前やリビルド途中で、別のハードディスクに障害が発生してしまうと、当然リビルドは失敗したことになるためRAID構成が崩れ、保存データが分散してしまいます。
よってリビルドを行う前よりも状態が悪化し、データ復旧できる確率が減ってしまうのです。
ではどうして、リビルドの失敗が多発するのか。
失敗が多発するメカニズム
リビルドの失敗が多発する原因は、RAIDを構成している内蔵ハードディスクが、同時期に生産されているものを購入し導入されていることが多いためです。
複数台製品なのでこれは当たり前では?と疑問に思うかもしれませんが、詳しくどういう事か説明しますと、RAID内のハードディスクはほとんどの場合、同じ時間だけ稼働しているので、一台に障害が発生すると他のハードディスクも、ほぼ同時期に障害が発生する可能性が高いのです。
そして、それに気付かずリビルドを行ってしまうと、途中でリビルドが停止したり、RAID構成レベルを誤って認識した状態で、リビルドされてしまうといったような事が引き起ります。
こうなると、本来書き込まれていなければならないデータと、全く異なるデータを上書きしてしまうという事が起こってしまうのです。
HDD順番入れ替え、交換 ~自動リビルドの危険~
HDDを交換すればデータは復旧されるのでは?
レイドに障害が起きデータが見れなくなってしまった際、一般的には障害の発生したHDDを交換する事で、データの復旧が可能とされています。
確かにこれは間違いではありません。
しかし、ハードディスクを交換する事で、データ修復に至る過程の中に、リビルド作業があります。
【リビルド、データ再構築】でも説明した通り、リビルド中に障害HDDとは別のHDDに寿命が訪れ、リビルドが失敗すると本来書き込まれていなければならないデータと、全く異なるデータを上書きしてしまう等の現象が起こることがあります。
そうなると、データ復旧率が大幅に低下する可能性に繋がってしまうのです。
その為、リビルドが自動的にかかってしまう、ハードディスク交換は大変危険な行為となってしまいます。
全てのケースが当てはまる訳では当然ありませんが、データ修復が失敗に終わりデータ消失する可能性がある事だけは理解しておかなければなりません。
順番の入れ替えはなぜ危険?
複数台のHDDを1つのハードディスクとして認識させる技術であるRAIDは、システムの規則に従い複数台のハードディスクにデータが記録されていきます。
そのため、ハードディスクの順番を替えてしまうと、その規則性が乱れてしまうことになり、データが更に破損しその状態で情報を上書きされてしまう可能性もあるのです。
この規則性をよく「本」で例えられているのですが、本の全てのページがバラバラになり元にあったページが分からない状態となるのです。
ですので、どこのデータを読みに行けばいいのか分からなくなり、結果的に中のデータが見られなくなってしまうのです。
HDDを取り外し、単体での起動 ~フォーマットする可能性~
単体でPCにHDDを接続するとデータが見られるのでは?
RAID(レイド)とは複数台のハードディスクを組み合わせることで、データ容量の大容量化、書き込み速度向上など、仮想的な一台のハードディスクとして運用する技術の事ですので、単体のハードディスクをパソコンに接続をおこなっても、中のデータを見ることは不可能となります。
またこの時ハードディスクのドライブ認識が行えた場合、パソコン上ではフォーマットを促すエラー画面が複数出てきてしまいます。
単体で接続するとデータが消える?
RAIDを構成しているHDD内のデータへアクセス出来なくなった際、問題が起きているハードディスクに異常があるとエラーメッセージが表示される場合があります。
この時、異常が起きているハードディスクを取り外し、外付けHDDとしてパソコンに接続を行ってもデータを見ることはできない上、逆にデータを完全に失ってしまう可能性があります。
上記でも説明をしているように、単体で接続を行った際に「フォーマットしますか?」などといったエラーが表示されることがあり、その表示に従いHDDをフォーマットしてしえばデータは当然消えてしまいますし、誤操作で押すつもりはなかったのに押してしまったなどのリスクも考えれます。
また、障害が発生しているHDDを通電させた事により、情報の上書き等がおこなわれ、症状が更に悪化してしまうケースも非常に多いのです。
RAIDカードの交換 ~構成が崩れる危険性~
障害RAIDカードの交換でデータが見られるのでは?
RAIDカードのトラブルにより、RAIDとしてハードディスクを認識できなくなる場合があります。
その際に、RAIDカードを新しいものに交換される方が多くいらっしゃいますが、実はしっかりと確認をした上で行わないと、これも大変危険な行為となります。
RAIDカードには互換性があり、互換性のあるものへ交換ができれば、データを見ることは可能となるのですが、RAIDカードには特殊な製品が多く、互換性のあるものをみつけるには、知識が必要となりますので、運試しでの交換ではまず見つけることは出来ないと言っても過言ではありません。
一致するRAIDカード交換でデータが見られるのでは?
失敗事例として多く挙げられるのが、大型のタワー型サーバやブレードサーバなど、特殊なRAIDカードを誤ったカードに交換してしまった事で、本来のデータまでのルートが消失しデータを見ることができなくなってしまうというものです。
これ以外にも、ハードディスク内部データの、ファイルシステム異常等が併発して起こる可能性も高く、その場合にはRAIDカードが一致していても、データを見ることはできないのです。
また、誤ったRAIDカードで構成し直すと、規則性が乱れ復旧難易度が非常に高くなります。
障害RAIDカードと同製品の交換でデータが見られるのでは?
性能のいいRAIDカードであれば、RAID構成情報がRAIDカードとHDD双方に記述されている為、交換を行うことで問題なくデータは引き継がれます。
これはHDDが正常な時でなければ確認できませんが、RAID構成情報が双方に記述されているか確かめるには、HDDの順番を入れ替えてから電源を入れ、ハードディスクが入れ替わった事をRAIDカードが検知しているようであれば、双方にRAID構成情報が記述されていることになります。
逆にRAIDが壊れてしまっている場合は、RAIDカード上にしかRAID構成情報が書き込まれていない事になるのです。
例えば性能の低いRAIDカードを使用し、[HDD1][HDD2][HDD3] + [HDD4(HotSpare)]というRAID5構成を組んだとします。
使っているうちに[HDD2]が壊れてしまい、[HDD2]を新しいHDDに入れ替えたとすると、構成は[HDD1][HDD3][HDD4] + [HDD2(HotSpare)と変わります。
この時点でRAIDカードが壊れてしまった場合どうなるでしょう。
新しいRAIDカードに入れ替え、新たに[HDD1][HDD3][HDD4] + [HDD2(HotSpare)という設定を施せば、使用するRAIDカードによりますが、修復するかもしれませんし、修復しないかもしれません。
確実に言えるのは、最初の設定である[HDD1][HDD2][HDD3] + [HDD4(HotSpare)]にしてしまったら、間違いなくRAID崩壊を起こすでしょう。
つまり、性能の低いRAIDカードを使っているとしたら、新しいRAIDカードに入れ替えてもRAID構成を復旧できるかどうかはカード次第になりますし、もし対応可能なカードであっても壊れる直前のRAID構成情報を、正しく把握していなければ復旧が行なえないことになります。
RAID5やRAID6などのHotSpareを用いるRAIDを構築するのであれば、高性能なRAIDカードでないと万一の際に対応が難しいと言えるでしょう。
弊社ではHDD(ハードディスク)、SSD、USBメモリ(USBメモリー)SDカード、microSD(マイクロSD)、CD、DVD、ビデオカメラ 等、数多くの取扱実績データ復旧実績もございますので、大阪・京都・兵庫だけではなく、全国のデータの復旧・復元でお困りの際は、是非ともご依頼をよろしくお願いいたします。
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